未破裂脳動脈瘤と
診断された患者さんへ
当院の動脈瘤治療は現在9割が未破裂です。
「未破裂脳動脈瘤」とは、脳動脈瘤が破裂する前の状態のことを言います。
脳の動脈にできた脳動脈瘤が破裂し出血して起こるものが「くも膜下出血」です。「くも膜下出血」は、およそ3分の1が死亡、3分の1が後遺症で苦しみ、3分の1が社会復帰と言われるほど重篤な病気です。
脳動脈瘤は、よほど大きくなって周囲の組織を圧迫しない限り、何の症状もありません。ですから元気な人でも脳動脈瘤を持っている人がいることになります。
近年、脳ドック受診者の増加に伴い、未破裂脳動脈瘤が発見される例が増えています。他にも、頭痛やめまいの検査のために受けたMRIで偶然に脳動脈瘤が発見される例も珍しくありません。
問題は未破裂脳動脈瘤があると必ず破裂するのかということです。このことについてはっきりしたデータは未だありません。では、未破裂脳動脈瘤が見つかった時にどうしたらいいのでしょうか。対応は大きく2つに別れます。
第1の選択は「何もしない」という選択で、
第2は「脳神経外科で手術をする」という選択です。
未破裂の脳動脈瘤では基本的には5ミリくらいから治療を検討しますが、小さくてもいびつな形状の動脈瘤では、治療が必要になる例もあります。
治療法は「開頭クリッピング術」と開頭せずカテーテルによる「血管内治療」に大別できます。
全身麻酔下で頭蓋を開け脳動脈瘤を直接出して本管の動脈から動脈瘤が出ている場所(ネック)を金属製のクリップで挟んで、動脈瘤に血液が行かなくなるようにする手術です。
脚の付け根の大腿動脈から細いマイクロカテーテルを挿入し、脳動脈瘤の中まで送り込み、糸のように柔らかいプラチナ製コイルを密に充填。瘤の内部への血流を遮断することで破裂を防ぎます。
当院では、脳血管内手術を積極的に取り組んでおります。開頭による外科手術に比べ、傷が針穴一つなので患者さんの身体的負担が非常に少ないのが最大の特徴です。
全症例で血管内治療が適用できるわけではありませんが、くも膜下出血の治療では開頭手術より予後は良好という報告もあります。
未破裂の脳動脈瘤の血管内治療には「コイル塞栓術」「ステント併用コイル塞栓術」そして最新の「フローダイバーター治療」があります。これにより血管内で治療できる動脈瘤が飛躍的に増えました。
35年間、脳血管障害の外科治療全般を専門に行う。全国40以上の病院で3,000件以上の患者さんの動脈瘤を血管内で治療。
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